画廊1

(※絵の出典は記事の一番最後にまとめてのせてあります。)

 

どうも初めましてひとこと申します。
当ブログは中高時代の友達から成るグループで一日おきに誰かが記事を投稿していくというものです。そして今日は私の担当ということで、私、ひとこが記念すべき一回目をやらせて頂くのでどうかよろしくお願いします。

さて、私は絵を見るのが中学時代から今(18)にかけての趣味でして、特に寮通いだった高校時代にハマりました。好きな絵をここに並べれば私の高校時代のほぼ全てを語れると言っても過言じゃないです。まあ、やったことはないですけどね。絵だけで何かを語ろうなんて。でも出来そうな気はめっちゃしますよ。よし、じゃあ今から絵を並べて自己紹介してみようか。

 

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...並べてみて思ったけどこれ、ただ私が好きな絵を並べただけですね。まあ、自己紹介なんてそういうモンだと思います。私が既存の絵を使ったように、一般的な自己紹介は既存の言葉を使う訳ですからね。既存のものに対して抱くイメージは人それぞれ異なるので、受け取る側の問題でもある訳です。そしてこれは自己紹介だけでなく、程度は違いますが日常会話やTwitterといった、言葉を使う営みには大抵当てはまります。はい、絵の力によって現代人の脆弱性が解き明かされましたね、と、こんな感じのことばかり考えて青春を過ごしてきました。お分りいただけただろうか...?

せっかく怒られるリスク(注1)を負って絵を貼ったので、絵の内容についてあれこれ言いたいところですが、その前に一つ。絵の内容や解釈を語るこの記事は、絵が好き、もしくは絵が好きになりたい人にとってしか価値が無いという宿命を背負います。私はそれでいいと思うのですが、その原因については意識的になるべきだと思います。それは簡単に言うと「居心地の良さ」、難しく言うと「他者(注2)の有無」です。絵に興味がある人とない人の差は、絵の世界に居心地の良さを感じているかどうかの違いです。例えばゴリゴリのヤンキーやギャルにとって、絵の世界にいるオタク達は仲間ではなく他者です。なのでオタク達がいくら絵の世界の素晴らしさを論じ、例えそれがいかに筋が通っていたものだとしても、「だってお前キモいじゃん」で論破されてしまいます。米津玄師にハマった子供がいくら親に米津玄師の素晴らしさを伝えようとしても「勉強しなさい」で論破されるのと似ています。逆に絵に興味がある人にとって、絵の世界は既に彼らのアイデンティティを構成する要員なので、大抵の誤謬はどうでもよくなります。私が先程述べた「現代人の脆弱性が絵の力によって〜」の話はハッキリ言って誤謬(早とちり)ですが、私と同じ界隈にいる人にとって大抵その誤謬は「面白い冗談」なのです。オタク同士で非生産的な話をしてても、場合によっては彼らがめちゃくちゃ楽しんでることもあるのは、そのせいです。


注1:専ら無断転載のことですが、この記事に載せている絵は思想・近況の呈示のために既に公表されたものを出所を記載し引用・批評しているので著作権法的にはセーフ...なはず
注2:ここでの他者とは、自分の存在を脅かすものです。生物・無生物、程度によらず、例えばテロリストから意地悪なクラスメイト、空腹、睡眠不足や欲求不満など多岐にわたります。絵に興味がある人にとっては絵の世界に他者は少なく、逆に興味が無い人にとっては絵の世界に他者は多く存在します。後に続く例では、ゴリゴリのヤンキーやギャルにとってオタク達が他者である、親にとって米津玄師キッズが他者であると仮定されています。


さて、それでは絵の内容に入っていきましょう。

1:ポケモンの二次創作イラストです。人間がポケモンをゲットする時、人間はポケモンに向かってモンスターボール(画面右上)を投げるとポケモンは為す術無くゲットされるのですが、どうやらこのポケモンはそう上手くいかなかったようです。自分の身体を拘束し、隷属させようとするモンスターボール引いては人間への拒絶反応でしょうか、本来青い皮膚は赤く膨れ上がり、血管が浮き出ています。酷く損傷した左半身の牙を剥いたような口からはだ液(?)のようなものが溢れ出て周辺にまき散らされています。目玉やツルツルした皮膚の質感、シワの寄った脚が見事に描き分けられていて、見応えがあります。ポケモンの人権について考えてあげたくなる一枚です。人間と一緒に暮らせないポケモンはどうせ淘汰されるし人間の脅威にはなり得ないのでポケモンの人権について人間が考える必要はないというのが一般的な人間の答えでしょうが。

2:何かの挿絵なのか二次創作なのかオリジナルの絵なのか分かりませんが、この絵も面白いです。漫画風にデフォルメされた人と風景が描かれていて、まず最初に中央の男の子に目が行きます。心配そうな目で後ろを振り返っており、その視線の先には殴られた跡(?)のようなものがある女の子が眉をひそめています。彼女の視線の先にあるものこそが他者なのです。他者からひどい目に合わされ、別の世界へ行こうとする4人の若者が歩こうとしている道は、皮肉にも大人達があらかじめ敷いておいたレールなのです。レールの外側には暗い森が広がっており、上空には赤い空が理不尽に居座っています。因みに、男の子の視線の先にあるのは専ら女の子で、女の子の視線の先にあるものではないですね。
手前の木が奥行きを強調し、暗い草原の質感も心地いいですね。この絵はなんだかすごく何かの挿絵のような気がするのですが、そうでないならばこの描き込みの量で一枚の絵だと言い張る姿勢や、それでいてこの寓意性の高さに感嘆せざるを得ません。インターネットを歩いていると遭遇する、言わば詠み人知らずのイラストはこういう楽しみ方ができます。

3:これもどういう目的で描かれた絵なのかは分かりません。しかし何が描かれているのかは分かります。小さな女の子とアジア系の草食系男子が見つめあっています。奥にある窓から覗くのは文明の進んだ町で、その上には星空が広がります。窓の大きさからしてこの家は男の家でしょう。二人のほがらかな表情やカーテンの揺れから、部屋を流れる生暖かい風を感じます。女の子は髪の色といい体の大きさといいオタク文化の産物のようですね。オタク文化による商品化された性を主題としたととれるこの作品ですが、作家の、主題に対する肯定的な姿勢やまなざしが画面を通して伝わってくるようです。二次元にうつつを抜かし現実世界に恋人が出来ない現代人がよく問題になっていますが、彼らの人生も至福なのです。

4:これは2015年、pixivとtwitterに「野生化したギャル」という題でうpされたイラストで、オリジナル絵です。自由に生きる若者達は自分達の創り出した大人の居ない場所に集い、既存の大人達の世界に無関心で対抗します。彼らは身体を自由に装飾し、部外者から見ればより歪に、仲間から見ればより正常に見える姿へ進化します。さあ、これを読んでいるアナタはこの絵が歪に見えるでしょうか?それとも正常に見えるでしょうか?正常に見えたアナタは私の仲間です。

 

さて、いかがでしたでしょうか。今回は前置きが長くなったので4枚の絵を紹介しましたが、次回からは5〜10枚ずつぐらいのペースで絵を紹介していこうと考えています。当ブログ次回の投稿は9/6、ひとこの次回の投稿は9/18を予定しているのでどうかよろしくお願いします。それではさようなら。


出典
1:https://fubango.deviantart.com/art/Squirtle-Found-627422729 (福島県へのディスりが書かれています。注意)

2:https://m.pikabu.ru/story/sara_kipin_4868661

3:カイカイキキの作品というのは分かるのですが、画像が貼ってあるページが見つかりませんでした。ごめん。

4:野生化した黒ギャル | 窓 [pixiv] https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=50688462