生きた化石

皆さん初めての方は初めまして、そうでない方はいつもお世話になってますハズレんです。かなり久しぶりに記事を書きました。

前回までのあらすじ:輪番制ブログが発足し、それぞれの自己紹介を意識した投稿が続いている(ひとこ君の絵についての記事など)。私は高校では本を読んで議論ばかりしていたので音楽や絵には手を出しておらず、彼らの話は新鮮で読んでいて個人的に楽しい。さて自分はどんな話をしようかと考えていて、「生きた化石」のことが浮かんだ。これこそ私の専門を紹介するにぴったりの話題である。

生きている化石(いきているかせき、英: living fossil)とは、太古の地質時代に生きていた祖先種の形状を色濃く残している生物をさす。生きた化石と言われることが多い。学術的には遺存種と呼ぶ。地層の中から出土する化石と同じ姿で現代にまで生息していることから、このような呼び名が付いた。

生きている化石 - Wikipedia

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ところで私は、残念なことに生物学をあまりよく知らない。だから今回シーラカンスやアロワナの話はしない。私の専門は言葉である。そして今回の"生きた化石"とは「心理学」という言葉なのだ。Wikipedia生きた化石の記事を見ても情報が遅いようでまだ追加されていないようだが、生きた化石一覧に心理学をさっさと追加するべきである。このことを何回かの記事に分けて力説していこうと思う。

 

先ほど言葉が専門と書いたが、私は作家やWebライターというわけではない。詩を詠んだこともあまりないし、キャッチーなコピーを提供する仕事もしていない。言語学についても、正直詳しいと言えるほどの知識はない。一体それら以外に言葉のどんな専門があるというのか。私が今までのめり込んできたのは、言語や論理の仕組みを考えることで様々なことを探究する、分析哲学と言われる学問である。多くの人には親しみがなく想像しづらいかもしれない。しかし慣れ親しんでいる必要はないのだ。これから体験してもらうのだから。

 

しかし、手法の話は楽しみにしておくとして、今回の題材がなぜ心理学なのか。その一つの経緯を書いておこう。私は言葉の他にもう一つ、学び方にも強い関心がある。そして諸所の事情で(機会があれば説明するね)現在アメリカの大学にて学んでいるのだが、ここでは人々の前提として知っていることがそれぞれ大きく異なり、相手の背景を想像することも容易ではない。そんな状況で、自分の関心のある分野を相手に説明するという機会が訪れる。細かい説明は後からする作戦としても、初手に目の前の相手に私の関心の大枠を「わかりやすく」伝えようとするとどうなるか。おそらく、"I'm interested in psychology."になってしまうのだ。しかしこの言葉、私はあまり使いたくない。だって明らかにおかしい。実際私は今まで「心理学に興味がある」と自己紹介したことはない。読者に「心理学が好き」という方はいるだろうか。きっと「哲学が好き」と同程度にはナンセンスな表現だ。僕が感じているこの歯がゆさに読者の皆さんの感覚を引きずりこむことが、今回一つの目標である。(つづく)